トラ技の最新号2010.12によれば、最近「地面アンテナ」というものが研究されているそうな?

地面なら、誰が見てもアンテナに見えないし、ロケーションが悪くても関係ない上に完璧なステルス性を誇る、究極のアンテナ?か?という期待をこめて調べてみる。

地面アンテナ実験と伝播モードの考察
CirQ037 / CirQ040
等のサイト様が詳しい。

歴史を振り返ってみると、長波が全盛の時代に、使い物にならない短い波長の電波ということでアマチュアに割り当てられた短波帯が全世界に伝播することをアマチュアが発見したという輝かしい歴史があるわけだから、「プロが使ってないから」とか「学者がいう理論では説明できないから」という理由だけでは否定する根拠にはならないのは当然で、注目すべき動向ではあるな。

但し、ここのロケーションでは、地面が露出している間隔があいた2点という条件で既に厳しい件。アース棒を2本埋める代わりに、コンクリートの地面に銅板を置いて、銅板と地面との間のカウンターポイズ?でその代用になる??とかがあれば話は別かもしれないが?

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よくわからないけど、個人的にちょっと考えてみるに・・・
・2本入れたアース棒を1本抜くと聞こえなくなった。
・長波JJYが良く受かる。
・地面の抵抗が低いよりもやや抵抗があったほうが良い。
という事実を素直に受け入れるとする。

で、個人的に感じるには、それって本当に 電磁波 なのか?
っていう点だ。

たとえば、机の上に導電ゴムのシートを敷いたと思考実験する。
こういう絵を描いてみた。

導電ゴムシート

この黒い線で囲ったのが導電ゴムシート。
そして下側の青い線が、交流電圧源と、それを導電ゴムシートに接続するための2本の電極だ。
そして上側の赤い線が、導電ゴムシートの2点に接続された電極と、その電極間の交流電圧を測定する交流電圧計だ。
緑色は、多分導電シート内の抵抗成分に相当するであろう抵抗分を等価回路で書いたもの。

こういうものを想定すれば、上記のJJYが受信できるとか、実際にアマチュア局と交信できたという事実以外は説明がつくな。つまり、電磁波ではなくて、抵抗体に交流電流が流れたという。

では、JJYの件と交信したという点は?
うーん よくわからない。仮にJJY送信所の近傍ならば、JJYの電波の電磁界が、不均一な抵抗を持つ地面に対して電磁誘導を起こして、地面内に交流電界を誘起した可能性もあるかもしれないけど、遠方の場合や、小電力送信のアマチュア局に対しては説明不可能だ。送受信機と地面アンテナの間にある給電線がアンテナの役目をした?可能性もあるけれど、それは実験された方々の論評を信頼して無いものと仮定すると、「やはりわからない。」というのが現時点での個人的感想。