というわけで、MMANA-GALで磁気ループアンテナを設計しまくってるというのと、アンテナマッチングについて少々考えたというのもあって、アンテナの各パラメータを動かすと「どこに効いてくるのか?」というのと、具体的に「どうやって調整すればいいのか?」という2つの点を少しでも明らかにするべく、自分用メモを作ってみる。
これが、一番シミュレーションでやってみたいポイントなのは確かだ。

000まずこれは、MFJ-1788を念頭に置いた、自作したMLAモデルの図。ループ直径は0.9mに固定する。また、説明のために、この絵のように給電用ループの直径をR, 給電用の内側ループとアンテナ本体外側ループとの距離をdと書くことにする。

001まずこれは、なんとなく目視的に
MFJ-1788を想定した、R=21cm,
d=3cmの時の様子。このグラフは
MMANA-GALのPlot機能をそのまま使っているだけだ。
これを始点にしていろいろいじってみる。

002これは内側ループの導体径を変えてみたもの。要するに全然変わらない。

003R=12cm,d=3cm.
つまり、距離は変えずに内側ループの直径を小さくしてみた。
その結果、Rのピーク値が低くなっている / jXの可変範囲が狭くなっていることがわかる。

なお、動かしているパラメータは前回のとおり、外側のループの上の方にあるバリコンの容量だ。その結果として、このグラフで言う横軸方向の動きは、MMANA-GALの最適化機能によって自動的に調整されているはずだ。つまり、左右方向の動きは自動調整済みと考えて眺めるという意味だ。

004次は、R=12cmのままで、d=8cmにしてみる。つまり2つのループの距離を遠ざけてみる。
その結果、Rのピーク値が低くなっている / jXの可変範囲が狭くなっていることがわかる。

005次もR=12cmのままで、d=11cmにしてみる。さらに2つのループの距離を遠ざけてみる。
その結果、Rのピーク値が低くなっている / jXの可変範囲が狭くなっている or jXのオフセット値が高くなっていることがわかる
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以上より、全然理論的根拠はわからないものの、単にシミュレーションの状況観察日記的に、次のような現象が観測される。

・内側給電ループの径を小さくするのと、内側ループと外側ループとの距離を大きくするのはほぼ同じ効果があって、Rの値を低くする and
jXの可変範囲を狭くし、オフセット値を上げる効果があるらしい。

しかし多分、もし仮に実際にこれを作るとしたら、
1. バリコンを動かしてjXを0にする。
2. 内側ループの距離dを動かしてRを50Ωにする。

の手順で調整が可能なのではないか?と仮定してみる。

もしそうならば、マルチバンド・アクティブ調整型磁気ループアンテナが自作可能(MFJのマネをしてみるという観点で)になるかもしれない?という夢??は一応見ることはできるような。。。

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さらに、今回やこの回にやったMMANA-GALでの14MHz帯のこのMLAの計算で求めた同調用Cの容量は、53-58pF. 一方この時にやったAA5TBさんのExcelファイルの計算では63pFと、ほぼ合っているというのはかなり勇気が沸いてくるみたいな。
そして、AA5TB方式では効率も計算できるけど給電部やマッチングのところが不明だし、MMANA-GALではこのように給電部のマッチングも含めた計算ができるけど、効率とかは不明なわけで、全く別のシミュレーションが同じようなCの値を算出して、さらに相補的に補い合っているところなんか心憎い仕上がりという感触で、いい感じだ。