前回やったのは、室内アンテナでも理想的な場合。
実際にはベランダ至近距離かつ八木のビーム方向に燦然と立ちはだかる物干し竿が・・・

なので、せっかくシミュレーションできるのだから、物干し竿まで入れてどうなるかをシミュレーションしてみた。

まずは、前回設計が終了した、50MHz 4el 室内八木アンテナのベランダの外に、物干し竿を実寸で置いてみたもの。しかし、室内八木アンテナは微妙に室内での長さ方向の位置を70cmだけ前後に移動できるので、その最適化は行ってみた。

つけただけ1
つまり、この絵のように、エレメントの先に1m低い位置に物干し竿2本。最適化の関係上、物干し竿は擬似のループのようになっている。
赤い矢印で書いた、物干し竿とアンテナの長さ方向の距離だけを70cm動かせる。

その結果、予想に反して、もっとも影響が大きいであろう、アンテナと物干し竿がもっとも近い位置=120cm間隔が最良であった。

淡々と、そのデータを示す。
つけただけ2

つけただけ3

やはり、肝心の導波器方向に立ちはだかる物干し竿の影響で、特にF/B比は壊滅的である。ベランダ屋外に磁気ループアンテナを置いても、室内に八木アンテナを置いても、物干し竿は最低のガンだ。諸悪の根源。
しかし、本来ベランダとは、洗濯物を干すのが「天下の1次業務」。
全く文句を言える筋合いではない。
まあでも、サイドの切れには影響無いわけだし、富士山方向とその逆方向両方ビームがあった方が交信できる確率は上がるから、かえって良かったよ。ということに強引にしてみる。w 

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しかしこれで終わっては半端だ。SWRも1.3だし。
どうせシミュレーションできるのだから、「物干し竿つき室内八木アンテナ」を設計することにして、物干し竿まで全部込み込みで、各エレメントの長さと間隔を最初から最適化し直してみた。これがその結果。

<50MHz 物干し竿つき 4el 室内八木アンテナ>

a001

a002

a003

a004

どうだろう?
最適化のご利益で、SWRは1.09まで追い込めた。エレメントの長さも、前後で逆転してる箇所があったりして、物干し竿まで苦労して計算に入れた痕跡が残っているみたいな?
ただ、ビームパターンはほとんど変化がなくSWRだけが下がっているみたいだから、最適化した割には効果がなく、元の寸法で作ってあとはアンテナチューナでマッチングすれば同じという感じもする。

でも一応、結果を絵にしてみる。
まずは自由空間。
4el設計図物干しつき_自由空間

短縮率0.9として、実際に作る場合の寸法。
4el設計図物干しつき_90%

逆に言えば、どっちの寸法でもアンテナチューナを使えばあまり変わらないということは、「再現性がいい安定した優れたアンテナ」という解釈?も成り立つかもしれないので、それはそれで良いことのようにも思える。

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まあ、もうここの家に住む前から自明なことだが、まっとうなロケーションの場所に引っ越すしかないんだよね。根源的には。
まあ何かの縁があれば、そういう運命が突然やってくるかもしれない??ということにして、淡々と日々平常心で過ごすのが大事なんだろうな~と。
そういうことにしておく。